子どもの考える力を育てる方法!思考力を伸ばすための工夫やNG集

「ぼくは聞いていない」「そんなの初めて知った」「やりたくない」という言葉、子供からよく聞きますか?近年、子どもたちの「考える力・思考力」の低下が注目されています。ここでは、「考える力」とはいったいどのようなものか、子どもがしっかりと「考える力」を身につけるためにはどうしたらよいのかなどを紹介します。

子供の考える力を伸ばすには!「考える」とは何か

「考える」という言葉の意味

「考える力=思考力」。思考力の意味を辞書で引いてみると「考えること。経験や知識をもとにあれこれと頭を働かせること」と出てきます。実は大人でも思考力が弱い方はたくさんいらっしゃいます。思考力が高ければ、困難にぶつかった場合の打開策に考えを巡らせたり、業界を掛け合わせるようなクリエイティブな仕事をしてみたりと、社会で生きていく力に変えることができます。子供の頃からこの力を培っていくことは、将来的に「生きる力」として大いに役立つでしょう。

学校教育でも重要視される思考力

皆さんは文部科学省が提示した新しい学習指導要領についてご存知でしょうか。平成29・30年改訂学習指導要領は、小学校:2020年度~、中学校:2021年度~、高等学校:2022年度~とスタート予定です。資質・能力の三つの柱を軸として考えられたこの学習指導要領の中に一つに「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力」があります。この能力を底上げしようという動きが行政にあるほど、現在の子供の「考える力」は重要視されているのです。文科省はこの思考力・判断力・表現力を含む3つの柱を軸とし、子供自身の「何のために学ぶのか」という学習の意義を共有しながら学習指導をしていくことにより、子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしいという想いがあるようです。

参考サイト:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm#section4

計算力と思考力はそれぞれ伸ばす

具体的な「考える力」とは何か。百ます計算などで計算が早く正答率も高い子供はクラスの中では一躍ヒーローになりますね。しかし、これは計算力が高いだけで、思考力が高いとは一概に言えません。思考力の高さは、同じ算数でも文章問題の読解などで測ることができます。どんな公式を当てはめるべきなのか、基礎はできていても応用ができない、という子供は「思考力」にフォーカスして指導するのも効果的かもしれません。

どうすれば「考える」ようになるのか

考える力を育てる機会は、単純に学校の勉強だけではありません。学校や家庭内、お友達や習い事のコミュニティなど、さまざまな社会での集団生活を通し、子供の考える力は育ちます。日常生活でも、家族やお友達との人間関係、社会的な礼儀作法、学校の準備や家庭内でのお手伝い、お小遣いの使い方など、子供が考えなければいけない状況はたくさんあるのです。考えることがたくさんあるのは親御さんだけではありません。また、中学生以上になってくると、自分自身の意思で決定しなければいけないことがどんどん増えていきます。そんなときに考えることを放棄しない、正しいと思える判断を自分で自信を持ってくだせるようになるには、基盤をちゃんと作っておくことが大切です。考える力はすぐに備わるわけではありません。言われたことしかやらない、自分の意見が言えないなど、考える力が低い子供には、早い段階から考える習慣を身につけさせるようサポートしましょう。

では、考える力を育てるにはどう接していけば良いのか。子供に考えることを身に付けるには、「人との対話」が重要となってきます。さまざまな体験や経験を通し、得た情報や感情を人と共有し、時にぶつかり、自分と違う意見があることを学び、それをいかに柔軟に取り入れていけるのかなどを学んでいく。考える力に最初に大きく影響を及ぼすのが、一番近くにいる親御さんだということを常に忘れないようにしましょう。

子供の考える力を養うために親ができること

ここからは具体的に親御さんがどう子どもと関わっていけば良いのか、サポートの例を紹介します。

子どもが考えている時間を邪魔しない

子供といえど、体は小さくてももう彼らは立派なひとりの人間です。逆に言うと、彼らは本当は最初は自分で「考えたい」のです。考えて物事を進めていきたいという潜在的な考えが根付いています。子供の生活を顧り見た時に、もしも日々のたくさんのことを、すべてを先に決められてしまう発言をしていませんか?「早く○○しなさい」「○○忘れていない?」「○○しちゃダメ!」など、子供が考えようとする前に、親が先回りして発言していませんか?この生活スタイルが続いていると、子供自身は次第に他に頼るようになってしまいます。思考力が普段から乏しい子供は、いざプリントやワークシートの試験問題などに思考力を働かせようとしても、うまくいきません。
大切なのは「待つ力」です。子供が考える過程を大事にしましょう。もし親御さんが答えを知っていたとしても、すぐに答えを渡さないことが重要です。

子供のいう「なぜだろう?」を大切に

子供は、「なぜだろう?」「どうしてこうなるの?」という疑問が出てくると、自ずとその疑問の答えを考えたくなるでしょう。知識が増えて色々なことに触れるようになると、分からないことが多くなり、よりたくさん考えるようになりますね。毎日の生活の中で、子供が「どうして?」と考える時間を、大事にしましょう。ここでも待つ力です。また、断定的に「これはこうだから!」と親の意見や知見を使用して答えないようにしましょう。親御さんがわからないことは、一緒に考える。少しだけ知っていても断言できないことも、一緒に調べてみる。この一緒に何かするという姿勢も、子供にとって心理的に安心する要素につながり、より考える力を発揮していけるでしょう。

大事なのは試行錯誤すること

大切なのは試行錯誤させてあげることです。やり方、作り方、いろいろなことに悩みながら挑戦している子供には、ぜひ見守りながら時間をかけてあげてください。もしその過程が間違っていても、すぐに止めたりしないで、失敗するとこまで見てあげましょう。そのあとに「なにが違ったのか一緒に考えよう」と寄り添ってあげることができたら完璧です。また失敗してしまったことをネガティブにとらえず、「まずは頑張ってことがすごい、考えたことがすごい」と認めてあげましょう。失敗に強いメンタルができることは、将来のチャレンジ精神を育てることに繋がるので、認めてあげることはとても大切です。

考える力がない?考えるのが苦手な子どもへの接し方

考え方がわからない子供

そもそも「考えてみて」と使用している方は「考える方法」を理解しているのでしょうか。自分が理解していないことを他の方に求めるのは傲慢な考えですね。「問題を考える」、どのような公式を使用したら、その問題を解くことができるのかを考える。問題の解決のために、アイデアを出す。「考える」といってもさまざまですが「はい、考えて」という言葉の一人歩きは、子供も言われても教科書やノートをただ眺めるだけに終わる可能性があります。
そこで親御さんが寄り添える方法は、手取り足取り状況をキャッチアップすることから始まります。どこで引っかかっているのか、どこの部分の思考力が弱いのか、理解しないことには解決のアプローチもしようがありません。「難しい公式を言えるくらいの先生になれ!」という訳ではありません。自分がわからない場合は一緒に勉強するくらいでもいいのです。大切なのは共同作業という名の子供との対話です。ぜひサボらずに定期的に行ってください。

「子どもの考える力を育てる方法!思考力を伸ばすための工夫やNG集」まとめ

最後に、この記事でお伝えしたことについてまとめます。文科省が提示している新しい学習指導要領では「考える力」はとても重要視されています。子供の考える力を育てるには、「子どもが考えている時間を邪魔しない」「子供のいう『なぜだろう?』を大切に」「大事なのは試行錯誤すること」が挙げられます。すぐ答えを渡さず待つ時間を大切にしましょう。また、子供と共同作業として寄り添いながら、解答を探していくこともとても大切です。

子どもの性格は十人十色。試行錯誤はつきものですが、いろいろな工夫を凝らし、子どもにあった方法で努めましょう。今回ご紹介した内容が、少しでも子育てのお力になれれば幸いです。