統計学をもっと身近に!算数・数学の勉強本「こども統計学」

「統計学」と聞いて、それってどんな学問?生活に関係するの?と、難しそうなイメージを持つ大人も多いはず。

統計学は、私たちの生活になくてはならない学問の一つで、デジタル・データ社会と言われる、これからの情報化時代を生き抜く上で必須のスキルと言われています。ネットショッピングをしたり、SNS投稿を楽しんだり、コンビニで季節の商品を手にしたり、私たちが普段何気なく生活しているその背景で重要な役割を持っている「統計学」。

文部科学省の新学習指導要領の中でも、小学校の算数で、データを分析し課題を解決するための統計教育の一層の充実を求めています。

家庭で学習できそうな統計の勉強本を探してみると、小6の娘が興味を示したのが「こども統計学」。興味を持ったのは統計学という言葉ではなく、表紙のカラフルなグラフのイラストでしたが…。

サブタイトル「なぜ統計学が必要なのかがわかる本」にも惹かれます。

親子で統計について、そして私たちの生活にどう関わりがあるのかを、一緒に学んでみたいと思います!

こども統計学の概要

カンゼン社から出版されている「こども統計学」は、慶應義塾大学大学院教授・理学博士の渡辺美智子先生監修、全128ページのソフトカバーの単行本です。

本書の他にも、KANZENこどもシリーズには「こどもSDGs」や「こども地政学」などがあります。

定価1,300円(税別)で書店やamazonで購入できます。

第1章は小学校の算数で習う範囲、第2章は中学校数学の統計分野、第3章以降はPPDACサイクルや私たちの生活に関わるネット上の統計データ、統計にまつわるおもしろトピックなど、第1章から第5章まで、統計の基礎から実用まで飽きることなく学ぶことができます。

どの章も、子どものお小遣い額やクラスメイトの身長や体重、部活動や受験など、身近な話題を例に、子どもが興味を持ちやすい内容となっています。

全ての漢字やアルファベットにふりがな付き!

表紙のタイトル始め、グラフや小さな解説の文字に至るまで、ひらがな以外の文字には全てふりがな付き。小学生でも1人で読み進められます。読み方で迷うことはないので、本の内容に集中することができそうです。

イラストやグラフがカラフルで多彩!

グラフやデータの図がシンプルな色使いで描かれていて、数字や文字がごちゃごちゃせずスッキリと見やすくなっています。「折れ線グラフ」「円グラフ」などグラフにも多くの種類があることを目で見て学べます。

左ページにグラフ、右ページにわかりやすい解説つき

どのページも左ページにトピックとグラフ、右ページにその解説と豆知識コーナーのレイアウトになっていて、2ページで完結!興味のある言葉や気になる箇所から読むこともできます。

「知っておくべきコトバ」で専門用語を学べる

「レーダーチャート」や「四分位範囲」など日常生活で使わない言葉を、例を挙げてわかりやすく解説!難しい言葉以外にも、「年末ジャンボ宝くじの1等の当選確率は?」といった話題もあり、大人も気になる内容が満載です。

小学生にも統計学がわかるの?

表紙のイラストに惹かれて読み始めた小6の娘。統計学は難しそうだからすぐにギブアップするのでは、という親の私の本音をよそに、うんうん頷きながら読み進めていきます。そして笑いながら「ママ!私今までだまされていたよー!」ん?どういうことでしょうか。

ページ数がちょうど良い

126ページの本書は、文字の大きさもページ数も、娘にとってちょうど良く読みやすい1冊。さらにソフトカバーで持ちやすく、ランドセルにも入る大きさと薄さで朝読書にもぴったり!

グラフや図の例題がわかりやすい!

たくさんのグラフがカラフルに描かれた表紙を見るだけでワクワクしていた娘は、統計学はグラフを多用することを知らなかった様子。学校の授業で習ったことも、まだ学習していないことも、身近な例題のグラフのおかげで理解が進んだようです。

PPDACサイクル?知ってるよ!

「ママ知らないの?PPDACサイクルは小6の算数で習ったよ。あ、でもこういうことだったんだ」得意そうな顔で私に説明してくれます。日常や仕事でも役立つ便利なフレームワークも、親子で一緒に学び会話が弾みます。

自分はだまされていたことに気がついた・・・

「第5章を読んでみて!グラフにだまされていたー」と嘆く娘。人間の目の錯覚や思い込みを利用したグラフの罠を解説した5章は、グラフやデータをしっかり見て分析する練習になります。「知らないと損をしたり、ネットのデマ情報にだまされるね!気をつけなくちゃ」とどの章よりも真剣に読んでいました。

「こども統計学」は、情報化社会を生きる上で必要なスキルが詰まった本

情報が溢れる今の時代、その情報やデータが本当に正しいかどうかを「調べて」「分析し」「判断する」総合的な力を持つことができる統計学。

統計の考え方や知識を持たないと、実は損をするかもしれないとは驚きでした。

大学のデータサイエンス学部の人気も近年高まりを見せていて、統計を学んだ学生の就職は有利になるとも言われています。統計の知識を持ったスペシャリストは、ますます重要な存在に。

高校入試や大学入試でも毎年出題される統計分野を、小学生のうちから親子で楽しく学べる「こども統計学」。

街やインターネットで見かけるグラフや情報を、親子でチェックしてみると、面白い結果になるかもしれませんね。