化学のキホンを学べる理科の勉強本「元素キャラクター図鑑」

私たちの住む地球や広い宇宙、そして人間をはじめあらゆる生き物や物質を構成する「元素」。

昔、理科の授業で元素記号を暗記するために「水平リ〜ベ・・・」と習った大人も多いはずです。

STEAM教育のS(科学)分野でも注目される元素ですが、理科の授業以外で「元素」を意識する場面はそう多くはありません。

実際、元素記号や化学反応が理科の教科書に登場するのは、中学2年生です。

そして、理科に苦手意識を持ち始めるのもちょうどその頃と言われています。

授業で難しく感じる前に理科に興味を持ってもらいたい、と思い見つけたのが「元素キャラクター図鑑」です。

ゆるキャラのようなかわいいイラストが表紙を飾る本書は、中学1年の娘にはちょっと幼いかな、と感じましたが、内容の濃さは想像以上でした。

今回は「元素キャラクター図鑑」を通して、元素について学んでいきたいと思います!

元素キャラクター図鑑の概要

日本図書センター発行の「化学のキホンがめちゃくちゃわかる!元素キャラクター図鑑」は、国立科学博物館理工学研究部長 若林文高先生監修、全95ページのソフトカバーの図鑑です。本書の他にも、理科や国語など身近なものを題材にした「キャラクター図鑑」を多数刊行しているので、気になる方はチェックしてみてください。

定価1,800円(税別)でAmazonや全国の書店で購入できます。

全ての漢字にふりがなつき

専門用語だけでなく、全ての漢字にふりがなつきなので、興味を持ったら年齢に関係なく読み進められるのも大きなポイント。

Amazonのレビューを見ると、未就学児や小学校低学年の子ども向けに購入されている方が多いようです。

全ページフルカラー

キャラクターやイラストはもちろん、解説したい箇所がそれぞれ色分けされていて、ポイントをすぐに見つけることができます。どのページも統一感があり、ページをめくって元素同士を簡単に比較できるので、元素への興味が深まりそうです。

個性的な元素キャラクター

1番の水素は王様「水素さま」、紀元前7000年前から人間の暮らしに使われた銅は「銅じいさん」、働き者の「酸素かあさん」と、元素をイメージするキャラクターが大活躍!MgやZnなどの記号で覚えるよりはるかにイメージしやすく、記憶に残りやすくなります。

各元素の基本データを解説

かわいいイラストやキャラクターに目を奪われがちですが、どのページもその元素についての基本データ(発見年・融点・沸点・状態・原子量など)や、元素がどのような働きをしているか、元素の特徴などを詳しく解説しています。

燃料電池やスライムの原料になるなど、元素を身近に感じられそうです。

元素について初めて知る中1の反応は

元素記号を初めて目にする中学1年の娘。中学校へ入学して勉強に不安を覚えていても、何から手をつけていいかわからずにいたそう。図鑑を手に取ることは、勉強している感覚がなく、眺めているだけでも新しい知識が身につきます。今まで見たこともない元素記号に興味津々の様子。

ソフトカバーは最高!

楽にページがめくれるソフトカバーの本はポイントが高いそう。「図鑑」とタイトルには入っていますが、少し大きめの漫画本のような手に馴染みやすさが魅力です。ハードカバーの図鑑とは違い、朝読書用に学校の通学カバンに入れても重さが気になりません。

推しのキャラクターは

元素のことが全くわからなくても、気になるキャラクターを見つけることのできる巻末ページのキャラクターリスト。娘の推しキャラクターは「ゲルマニウム」さん。ケイ素ちゃんに半導体のスターの座をゆずり、今では陰の存在になったところが気に入ったとのこと。硬そうなイメージからは想像つかない哀愁のドラマがあるのですね。

キャラクターからその元素のことを学べるのが本書の最大の魅力です。

発見されたのは最近なの?

宇宙や人の元になっているのに、発見されたのは200年前ってわりと最近のことなんだね!と驚く娘。しかも2004年に発見された元素・ニホニウムって日本で作り出されたんだね。もしかして世の中にはまだ知らない元素もあるのかな?元素のことはまだよくわからないけど、自分の身の回りにも知らない元素が隠れているのかも。と、今まで知らなかった化学の分野に興味を持つきっかけにつながりそうです。

毒なのに役立つの!?

胃のレントゲン検査でママたちが飲むバリウムおじさん、実は毒なんだって!化合物になったら飲んでも平気なの?歯医者さんで最後に塗ってくれるフッ素くんも、においはキツくて強い毒なんだって・・・でもフッ化ナトリウムになると虫歯予防に役立つみたい。どうしてなの?と、疑問が尽きない様子。

化学反応や化合物といった次の化学のステップへ移る準備ができそうです。

「元素キャラクター図鑑」は未就学児から中学生まで幅広く学べる化学の入門図鑑!

中1の娘が元素に触れるのは今回が初めてという認識でしたが、本棚の奥の方に、大学生の長男が昔購入した元素図鑑を発見!ハードカバーの“いかにも“という図鑑は、写真入りで専門的な用語と解説がびっしり。勉強嫌いの娘が拒否するのもうなずけます。

車や電車の名前を覚えるように、小さなお子さんが元素の周期表に興味を持った時に、「元素キャラクター図鑑」は大活躍するのではないでしょうか。

また、我が家のようにまだ化学を勉強していない中学生や、教科書で習ったけれど、もっと詳しくわかりやすく元素について知りたい学生にもおすすめの一冊です。

「元素キャラクター図鑑」で、親子で化学の入り口、元素について一緒に学んでみてはいかがでしょうか。