国語の授業に欠かせない古典。慣習や言葉の使い方など、現代と大きく異なる古典の世界に戸惑うお子さんも多いのではないでしょうか。
古文の授業で習うのは、古文単語や文法が中心です。英語の授業のように、単語や文法を覚えたらすぐに使えるものではなく、古典はあまり身近に感じられないかもしれません。
我が家の中3長女もまさにその1人。高校受験の勉強でも苦労しているようです。小6の次女に至っては、古典の世界?ハテナ?状態です。
古典に対する苦手意識を持っていても大丈夫!誰もが一度は聞いたことのある古典の名作「枕草子」も、まんがならスラスラ理解できてしまうんです。
時代背景や人物の繋がりを一気に習得できる、「まんがで読む 枕草子」を通して、古典の楽しさに触れてみませんか。
「まんがで読む 枕草子」の概要
「まんがで読む 枕草子」は、[学研まんが日本の古典シリーズ]の1冊。学研では他にも「古事記」や「徒然草」など全12冊の古典まんがシリーズを刊行しています。
本書は「枕草子」を中心とした平安文学を研究している、北海道教育大学教育学部札幌校教授、中島和歌子先生監修の古典まんがです。
1,430円(税込)でAmazonや全国の書店で購入できます。
きれいなイラストでストーリーがすぐにわかる
古典作品をまんがで読めるの?と、親世代は不思議に思うのですが、華やかな宮中の世界にすっかり引き込まれてしまいました。文字で読むと複雑な人間関係もあら不思議、まんがならすんなりと頭の中に入ってしまうのです。
枕草子の時代背景がわかるコラムが充実!
平安時代の宮中文化や、平安貴族の身分、生活風習など、まんがでは描ききれない細かな出来事を、イラスト付きのコラムで詳しく解説しています。全ての漢字にふりがな付きで、小さい子どもでも1人で読むことができます。また、学校の授業の補足としても十分に理解できる内容になっています。
清少納言と周りを取り巻く人間関係が学べる
登場人物の多い物語は、複雑な人間関係を理解するのも一苦労。本書では、作者清少納言の生い立ちから晩年まで、関わりのある人物を章ごとに説明付きのイラストで紹介しています。この人は誰?とならずに物語へスムーズに入り込めます。
注釈つきで、知らない単語もスラスラ!古典の基礎が身に付く
「あてなるもの」「くちをしきもの」と言われても、今では全く使われない言葉の意味を理解するのは難しいもの。まんがでは現代の言葉で分かりやすく表現されているので、難しいと思う前に意味を理解できそう!さらに、「天帝」や「疫病」など、馴染みのない単語にも注釈が付いていて、古典の知識と同時に語彙力を高められるのも大きなポイントです。
中3受験生長女と小6古典初めて次女の反応は!?
テーブルの上に置かれた本書に先に興味を示した中3長女。「これ読んでもいい?」とすぐに手に取り夢中になって読み始めます。1時間ほどすると、「なるほど〜!分かったわ。平安時代ってこういうことね。」と妙に納得した様子。
それを見ていた勉強嫌いな小6次女も「私も読んでみる!」とすかさず反応。2人に本書の感想を聞いてみました。
古典作品が分かりやすい!
中学校の授業で少し触れたという「枕草子」。まんがを読んで最初の感想が「枕草子ってこんな話だったんだ。」まんがのストーリーも読みやすい上に、合間のコラムの説明がより分かりやすかった模様。
「今はあまり言葉にしないことも、昔の人はあえて言葉にして楽しむんだね。韻を踏むのが好きで言葉遊びが上手!」と、教科書を読んだだけでは理解するのに時間がかかることも、まんがなら一瞬で昔の人の感性に触れることができるようです。
枕草子とその時代背景に納得
受験勉強の古文と歴史が彼女の頭の中でリンクしたようで、平安時代の人物や貴族たちの身分の図は社会の勉強にも役立った様子。受験的要素は強くはないものの、枕草子とその時代背景をより深く、楽しく学べることに感激していました。
女子向けキラキラ世界
一方の次女はというと、読み始めはキラキラした絵柄に戸惑っていたものの、すぐに慣れたようです。「女子の世界は今も昔も変わらないんだね。かわいいものが好きで、手紙もすぐに書くんだね。」今で例えると、清少納言の枕草子は、SNS発信をするインフルエンサーのような存在なのかもしれません。
まんがは読みやすい!
日本の歴史に全く興味のなかった次女が、字も絵も大きい!と、ページ数のわりにあっという間に最後まで読めたのは、まんがの内容が充実していたことと、わからない言葉は注釈を読んですぐに理解できたため、のようです。姉がじっくり読んでいたコラムはまだ興味がないようで、この先中学校の授業で古典に触れてから、読み返すチャンスに期待します。
「まんがで読む 枕草子」は繰り返し読めて、新たな発見がある古典入門のまんが本!
その名の通りまんがで楽しく古典が学べる本「まんがで読む枕草子」。中学生は古文の授業の補足や、社会の歴史の勉強にも繋がる1冊に、小学生にはこれからの古典学習の準備としてふさわしい1冊になるでしょう。
実は、子どもたちより夢中になったのは親の私自身でした。
高校時代に遡っても、受験勉強のために必死で覚えた記憶しかなく、今回まんがで「枕草子」に触れてその面白さにようやく気がついたのです。
パパ・ママには、リカレント教育の一つとして、本書をおすすめします。
平安時代の暮らしや文化、ものの考え方など、感じたことを親子で話し合ってみるきっかけになりそうですね。