「子どもの言いたい事が分からない」親子でのコミュニケーションに困った事がある人も多いのではないでしょうか。子どもが大きくなるにつれて会話もスムーズになってはきますが「何を言いたいの?」と訊きたくなってしまう。娘が高学年になっても、そんな事が我が家ではまだまだあります。
そんな時、出会った本がこちらです。学校での発表や日常会話においても、伝え方が勉強出来たらと思い、購入しました。
発表がうまくなる! 好きになる! 10歳から知っておきたい魔法の伝え方
日本能率協会マネジメントセンター発行の「発表がうまくなる! 好きになる!10歳から知っておきたい魔法の伝え方」は鈴木深雪さんの著書で165ページからなる本です。税抜1,500円でamazonにて購入しました。イラストも多く、漫画もありますので、子どもでも読みやすそうです
毎日はプレゼンテーションにあふれている
最初のページをめくってみると、お小遣いを増やしてほしいのにお母さんに伝えられない。そんな子どもの様子が漫画で描かれています。
第1章の1は「毎日はプレゼンテーションにあふれている」です。考えてみれば、人との付き合いは、赤ちゃんとお母さんから始まり、言葉を話せない時からもスタートしています。家庭でも学校でも会社でも、私たちは相手に何かを伝えていかなければなりません。人は皆、一生プレゼンテーションをしている事になるのです。
プレゼン自転車
プレゼンとは何か。こちらの本では、前輪は自分、後輪は相手、という例えが使われています。前輪は、伝えたい!という自分の気持ち、そして後輪は相手への想像力、受け取ってもらいやすい伝え方の事です。自分と相手とのバランスが大切という意味合いを、子どもにも分かりやすく紹介しています。
この本では紹介したい事を提案して例を挙げ、更に「相手にどう行動してもらうか」というところまで考えていきます。
自分の要求を伝えるところまでは出来ても「どう行動してもらうか」までは、子どもにはなかなか考えつかない事ではないかと思います。これを知っているか知らないかでは、コミュニケーションにも大きな差がつきそうです。
話の順番
娘は「話の順番」について書かれた章も気になったようです。本ではどちらが分かりやすいか?という事例も載っていました。
Aさんは時系列に沿って、あった出来事を順番に話す。
Bさんはまず結論から話す。
娘はすぐにBと分かったようでした。話の初めに一番伝えたい事(結論)がある方が、聞き手は「何の話だろう?」と疑問に思う事なく、話を聞く事が出来るというものです。
ちょっとした事ですが、これだけで随分伝えやすくなるのだと理解が出来たようでした。
実際にプレゼンしてみよう
本には、「ななたこシート」いうものが紹介されていました。「なにを、なぜ、たとえば、こうどう」この4つの順に伝える順序を考えれば、そのままプレゼンテーションが出来るというものです。娘も読了後にやってみましたが、子どもでも簡単にプレゼンテーションが出来そうです。
もしも「ななたこシート」がすすまない時は、一番伝えたい事は何かをまず考える。プレゼンのど真ん中さえしっかりしていれば、相手には必ず伝わる。力強い言葉です。
プレゼンテーションの練習方法も色々載っています。「嬉しい、楽しい、おもしろい」という言葉を禁止して喋る練習法もあります。どの言葉も日常で頻繁に出てきそうな言葉ですが、それだけだと具体的ではありません。どう嬉しかったか、どう楽しかったか、そこまで伝えると自分の言葉として使え、相手にも伝わりやすくなります。
目からの情報は耳からの600倍
本を読みすすめていくと、かなり本格的なプレゼンテーションについても紹介されていました。子どもの学年が上がっていくと、情報も多くなり、テーマや内容も高度になっていきます。そういった時にも対応出来るように、情報ツリーを使った方法や、プレゼンの資料などの作成についても書かれていました。
小学5年生の娘にはまだ難しいかなと思ったのですが、意外にもプレゼン資料の項目に興味を持った様子です。目からの情報がそこまで大きいとは親子で知りませんでした。「社会の発表で、単語一つを文字で書くだけでも、みんなに注目してもらえるかも」と、既にアイディアも浮かんでいる様子です。
プレゼンテーションを通して得られるもの
最終章は「みんなへのメッセージ」という章で締めくくられていました。相手に自分の気持ちを伝えるために、ここまで試行錯誤してきた訳ですが、結局それは自分自身をも知る事になるのだと。なるほど、と思わせられました。プレゼンテーション、奥が深いです。
娘はこの本に載っていた事を、学校での1分間スピーチでも使ってみたい!と言っていました。娘の学校では、朝の会のスピーチが順番に回ってくるのです。その日はクラスのみんなの前で喋らなくてはなりません。「何を話そう……」といつも前日から悩んでいましたので、これから少しでもスピーチがうまくなるといいなと思います。