私たち親世代が子どもの頃は、川原や海辺で遊ぶ姿がよくみられたものです。
きらきらと輝く水辺で、石投げや水遊びを楽しんだという思い出がある方も、多いことでしょう。
普段はなかなか自然と触れ合うきっかけがない中で、今回おすすめしたいのが「こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」です。
本書は「鉱物や宝石が、水辺のどこかに隠れているかもしれない」と、自然に対してのワクワク感が生まれる一冊です。
本書を読むことで、川や海辺へ出かけたくなるはずです。
「こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」ってどんな本?
色とりどりの鉱物や宝石を、原石のままの姿で紹介する本書は、簡単にいうと石探しのガイドブック。
それぞれの鉱物が持つ特徴が記されているのはもちろんのこと、そもそも鉱物がどのようにできているかが、子ども向けに解説されています。
定価は1,650円(税込)、全160ページのオールカラーで、読み応えもある一冊です。
石探しのガイドブックとしての特徴とは
子どもの石探しのガイドブックとしての特徴をまとめました。
小学校低学年から読める!読み仮名付きで安心
本書は著者である柴山元彦氏が、2015年と2017年に出版した「一人で探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」シリーズを、子ども向けに新たに編集し直したものです。
そのようなこともあり、漢字には読み仮名が付いているため、子どもが一人でも読み進められるようになっています。
また、オールカラーにより宝石や鉱物の色味もしっかりと確認できるので、他の石との違いや見比べが容易です。
マンガやイラストを多用することで理解が進む
地質学と聞くと、理科に比べてなんだか固くてとっつきにくい印象ですよね。
でも実は、地質学こそ身近であり、学校での理科の学びを更に発展させてくれる分野なんです。
そこで、子ども達が抵抗なく学びを楽しめるような工夫として、イラストやマンガが随所に登場します。
著者の柴山元彦氏も「柴山先生」として登場するのが、リアルで面白いです。
石探しができるスポットを紹介
日本の地方ごとに、代表的な石探しのスポットが紹介されているのも、ガイドブックらしいメリットが感じられる点です。
スポットへのアクセスはもちろん、どんな鉱物が取れるかが説明されているので、お出かけがてらにふらりと立ち寄れるのもいいですね。
「川に降りる階段が狭いので、気を付けよう」
「近くの運動公園にトイレがあるよ」
このように、スポット別の注意点や、ワンポイントアドバイスまでもが載っています。
見つけた鉱物の磨き方や保管方法、オリジナル図鑑づくりまでを解説
それっぽい石の数々や、拾ってきた砂から鉱物を発見するのも、楽しみの一つ。
砂の中から鉱物を探す手順や、研磨するのに向いている耐水ペーパーの紹介と、鉱物を取り出すポイントが具体的にイラスト付きで解説されています。
また、オリジナルのケースづくりや本の作り方など、自由研究にもぴったりな内容です!
最後の最後まで、石探しを楽しむ極意が記されています。
小学二年生男子の反応は?
恐竜や妖怪図鑑など、ジャンルを問わず図鑑が好きな小学二年生の次男。
宝石であればダイヤモンドやルビーくらいは知っていますが、そもそも石には関心を持っていませんでした。
(きっと、我が家と同じご家庭が多いと思います。)
石の名前や硬度、比重といった基本知識が記載されていますが、知識より何よりも次男が感じたこと。
それは「川や海に行ったら、宝石が見つかる!」ということです(笑)
そんな簡単なことでもなく、彼がイメージしている宝石と実際に採れるものは、かけ離れていると思います。
ただ、そうやって目をキラキラさせている姿に嬉しく感じました。
単なる石の図鑑と思うなかれ、冒険心が揺さぶられるような、そんなワクワクが生まれる一冊だと思いました。
「こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」は探求心や冒険心の向上にぴったり
ふとした時に取り出して読みたくなるような、そして石探しに出かけたくなるようなワクワク感を覚える「こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑」。
- 図鑑が好き
- 自由研究に役立つ本を探している
- 自然と触れ合うきっかけがほしい
そんな思いを持つ保護者の方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
学びを得られるのはもちろんですが、何よりも探求心や冒険心を引き出してくれるのがこの本の魅力ではないでしょうか。
石探しは身近な川原や海辺でできるので、休日や子どもの長期休みにも家族で楽しめます。
自然の中で思い切り遊ぶことが少なくなってきている今、この本をきっかけに、たくさんの子どもに石探しの冒険へ出かけてほしいと思います。