理科の勉強にとどまらない漫画「天地創造デザイン部」で身につく力

「天地創造デザイン部」は神様から「この条件に合う動物をつくって!」との依頼を受けた天使がデザイナーや試作を担当する技術者とともに、あれこれ試行錯誤しながら動物を完成させるコメディ漫画です。


「えぇ?その依頼どうやって動物にとりいれるの?」というところからスタートして「なるほど!そうきたか!」の動物の出来上がりまで、フムフムと頷いたり、にやにや笑ったりしながら読める1話完結のお話です。「雑学好き」な我が家の男子。モノの成り立ちや生物の進化は大好物。最近話題の漫画「天地創造デザイン部」は動物の特徴や体の機能をコミカルかつ、なるほど~な視点で読めると知って、「絶対好きなはず!」と確信しました。

「天地創造デザイン部」とは?

「天地創造デザイン部」は略称「天デ部」と呼ばれる「月刊モーニングtwo」に連載中の漫画です。原作者の「蛇蔵」と「鈴木ツタ」が2人の会話中のなかで繰り広げられる妄想を編集者に話したのをきっかけに、作画者の「たら子」によって漫画にされました。

2022年10月現在は8巻まで発売しており、2022年6月時点で、電子書籍を含めシリーズ累計60万部を超える大ヒット漫画です。また、別冊で「天地創造デザイン部 へんな生きもの造ってみた」という、生きものの体の仕組みや生態をわかりやすく解説した本も出版されています。

漢字にはルビもふってあり、平仮名やカタカナが読めるようになったお子さんなら楽しく読むことができます。ほぼ1話完結で話が進むのも読みやすいポイントです。

全国の書店やAmazonで購入できます。

参考価格:天地創造デザイン部 第1巻 715円

雑学好きも納得!「確かに!これだと生きていけるね!」

神様が「この条件で!」と依頼して、動物づくりは始まります。デザイナーが「このほうがカッコいい!」「見た目がおもしろい!」とデザインするものの、それを実際に地球上で生きて行けるように作る技術者が「これでは生きられない!!」とダメ出し…。

そのたびに、生きていけるように改良されて、今いる姿へと変化しながら形作られていきます。その説明が理にかなっていて「へぇー」の嵐!読んでいた子どもも(小6男子)、「そうか、地球の条件だと、この重さでは成立しないんだ…」とか「なるほど血液を循環させるために心臓はこの大きさじゃダメなんだ…」と漫画の内容を現実に落とし込んで読み進めていました。

最終的に、「あ!だからこの形でこの動物は地球上に存在してるんだ!」というところまで腹落ちさせてくれるので、大満足!豆知識も加わって、我が家の雑学好きはさらに大満足でした。

我が家の小6男子双子「フムフム系」と「創造系」

我が家の小6男子の双子は、生きものに興味があるというよりは広く浅く色々なことを知りたいタイプです。そんな2人が生きものの体や仕組みについてあれこれ語っている姿は私の想像を超えていました。草食なのか、肉食なのか、食べ物がどうやってその動物の「内臓」に影響するのかなど、生物の生態についての考察がとまりません。


ひとりはその動物が持つ特徴にいちいち納得しながら読み進めていきます。私にその感動をシェアしたいと、「まず読め!それから話そう!」と、共感を共有させられます…。

もうひとりは自分だったらどんな風にオーダーして動物を誕生させるか…に思いを巡らせています。「足はなくてー、龍みたいな魚をオーダーする!」これ、実際の動物だと何になるのでしょう。


理科で習うような生物への興味はもちろんですが、国語的な表現力や読解力、想像力を駆使すると新たな動物も誕生させられます。そして、既存の動物の成り立ちもこの漫画のプロセスで自分なりに考察することができます。創造は神様だけでなく、自分にもできるのです!

理科の勉強のみならず!読解力や想像力も育む本

動物は生息する環境で姿かたちを変えていきます。それは生物の進化において否応のない変化なのかもしれませんが、そこをコミカルに描くことによって、子どもたちが「なるほど!」と理解しながら、動物に対する理解が深められます。謎解きゲームを解くような感覚で、動物の生態を知っていくのです。

また、天使や技術者が神様からの言葉をヒントに創造し、実験しながら動物を作っていく様子は子どもたちの想像力をかきたてます。

理科(生物)の勉強だけでなく、想像しながら推察することは、読解力にもつながっていくような気がしています。動物に興味がある子、文章に興味がある子、どちらの知的好奇心も満たしてくれるのが、この「天地創造デザイン部」なのでは?と思ったのでした。