「日本って他の国より弱いの?」先日、6年生の息子に聞かれて少しおどろきました。社会の授業で日米問題や日中問題について勉強したようなのですが、漠然としすぎていてイマイチ理解できなかったのだとか。
国際問題や政治などは、勉強という枠に囚われずに興味を持ってほしいことのひとつ。ですが親自身もなかなか上手く解説できないことも多いですよね。今回は社会の勉強にも役立つ「こども地政学」の本を、小学生の子どもと一緒に読んでみました!
地政学の概要や実際に本を読んだ感想を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「こども地政学」の概要と購入方法
まずは「こども地政学」の概要と購入先を解説します。
出版社:株式会社カンゼン
発売日: 2021/3/15
著者: 船橋洋一/バウンド
定価:1,430円(税込)
発行元の株式会社カンゼンでは「こども行動経済学」「こどもロジカル思考」「数字でわかる! こどもSDGs」など、さまざまな児童書を手がけています。
全128ページで文字とイラストや写真が半々程度の構成となっており、内容をひと通り網羅するには最適なボリュームだと感じます。フォントやカラーもシンプルでとても見やすい!
「こども地政学」はAmazonや、全国の書店で購入できます。
「こども地政学」の内容をざっくり解説
「こども地政学」は、7つの章に分かれています。
- 第1章 私たち日本世界の関係を見てみよう
- 第2章 ところで「地政学」ってどんな学問なの
- 第3章 地政学で絶対に知っておくべきキーワード
- 第4章 日本の地政学的リスクに見ていこう
- 第5章 2つの超大国アメリカと中国の関係を知ることが大事
- 第6章 歴史を振り返ると地政学がよくわかる
- 第7章 未来の日本について考えてみよう
1ページごとにテーマと回答が繰り返されていくので、長文を読むのが苦手な子どもでも比較的簡単に読みやすいと思います。すべての漢字に平仮名もふってあるので、1年生くらいでも読み進められそうです。
「地政学」とは「地球の政治学」のことで、地理的な位置関係が国家に与える影響や、それを取り巻くさまざまな環境を考える学問のこと。つまり、地政学を学ぶとは、日本が現在の位置にあることで生じている政治的なメリットやデメリットを把握することを指します。
本のタイトルだけ見ると、内容が少し難しく感じてしまうかもしれませんが、なかの見出しは子どもでもスッと頭に入りやすいものです。例えば「日本と仲がよい国ってどこか知ってる?」といったクイズのようなページもあります。
さまざまな角度からの見出し(質問)が載っているので、クイズに答えるような気持ちで読み進められるのが特徴です。
「こども地政学」を読んだ長男(小学6年生)の感想
「こども地政学」を読んだ長男は「日本って将来どうなるの??」と少し心配になったようでした。「なにが心配だと思った?」と聞いてみると、「だって日本は小さいし、他の国はミサイルとかも持ってるしもし戦ったら負けそう…」とのこと。
この本では、日本とアメリカの関係や、日中・日韓関係などについても触れているので、諸外国が持っている資源やパワーについて改めて理解したようです。学校の授業でも外国についての話は聞いたけれど、「テストに出る場所を覚えなきゃ」といった意識が高かったようで、流れ作業的に内容を把握していたそう。
この本の冒頭には「地政学とは国々がともに生きる知恵を学ぶこと」と書かれています。息子は「地政学」という言葉自体も正確に理解できていなかったようなのですが、「そもそもなぜ社会の授業があるのか?」ということについても考えるキッカケになったようです。
自国のことや諸外国との関係を学ぶことは単に「社会科のテストのため」ではなく、実際に自分が生きていく現実世界に必要な情報です。こうした意識を自然に持つのはなかなか難しいと思うのですが、地政学の本のおかげで息子も少しだけでも興味を持ってくれたように思います。この本を読むことで、外国から見た日本の強みや弱みについても知れるようになります。
私もあとからこの本を読んだのですが、全体的に子どもでも分かりやすいように、かなり端的な質問と回答になっている印象でした。どちらかというと網羅的な内容なので、気になるトピックは別の本などで深堀りすると良いかも知れません。
社会の勉強に興味が湧く内容がたっぷり詰まっている本
「こども地政学」は日本の地理的な問題や立場などを、多角的に解説している本です。国際社会について学ぶにあたって、まずは日本のことをよく把握することは重要ですよね。この本を読むと、良いことも悪いことも含めて自国について興味を持つきっかけになりそうだと感じました。
「社会の勉強ってなんだか意味わからない…」こんな風に思っている子どもにこそ、おすすめしたい1冊です。「地政学」は中学生以降の勉強にも幅広く役立つ内容なので、ぜひ一度読んでみてください!