寝る前の親子のコミュニケーションタイム!「星新一ショートショートセレクション1」

日本人の読書量の減少が叫ばれて久しい昨今。平成30年に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によると、1ヶ月に読む本の冊数が「0冊」と答えた人が47.3%、「1.2冊」と答えた人が37.6%でした。そして読書量が以前よりも減っていると答えた人は全体の67.3%に上ります。

平成 30 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要

文化庁

子どもにはできるだけ本を読んでもらいたいと思い、生まれてからというものさまざまな絵本を読み聞かせてきました。とはいえ我が子も小4と小1。自分でも多くの文学作品に触れて欲しいと考えて、自宅の本棚にはさまざまなジャンルの本を取り揃えています。今回はその中の1つ、『星新一ショートショートセレクション1』をご紹介します。

星新一は日本を代表するショートショートのSF作家

星新一が誕生したのは1926年、大正15年のこと。星製薬の創業者の家に生まれ、東京大学を卒業した後、家業の製薬会社の副社長を務めながら創作活動に励みました。彼が得意とするジャンルは、ショートショートと呼ばれる原稿用紙10数枚程度の短い作品です。誰しも読める漢字とわかりやすい表現、暴力や性をほのめかす描写が一切ないことから子どもを中心に人気を集めています。総刊行部数は3000万部であり、世界中で飜訳された星新一文学が親しまれ続けているのです。

『星新一ショートショートセレクション1』を選んだ理由とあらすじ、購入方法も!

我が家が子ども向けに『星新一ショートショートセレクション1』を選んだ理由は、「安心して読んでもらえるから」と「1話が短く短時間で読み終えられるから」です。先ほどもお話しましたが、星新一のお話はどれも暴力的、性的描写が皆無だから小学1年生にも安心して渡せます。また1話の長さは子どもでも15分もかからずに読めるほど短いのです。長時間の読書になれていない子どもたちでも無理なく読破できます。

『星新一ショートショートセレクション1』は全15巻の中のひとつ。「ねらわれた星」や「ねむりウサギ」など有名な作品が集められています。どのお話も、さくさく読み進められるわかりやすい文章なのに、最後に見事なオチが待っていて読後感が爽やか!アニメを見ているような感覚で楽しめます。

「星新一ショートショートセレクション1」の購入方法や価格は以下の通りです。

購入方法:Amazonや書店等

活字好きとはいえない我が家の子どもたちの星新一への反応

さっそく、本棚から星新一ショートショートセレクション1を取り出して、長女と次女に「寝る前に読んでみるといいよ」と伝えてみました。ちなみに長女は、好きな児童向け文学作品なら黙々と読むタイプ。次女は絵本が大好きで、最近はひとりで読んでいます。

長女「えええ!そうなっちゃうの!?」

長女が最初に読んだのは「おーい、でてこーい」。「何でも捨てられる大きな穴があるから核廃棄物や産業廃棄物を捨て続けていたら、最初に穴に投げ込んだ小石が上空から降ってきた」というストーリーです。想定外の結末にびっくり&怯えた長女は、強烈なオチがあるストーリーにひきこまれた模様。「えええ?」と大きな声を出してびっくりしていました。

とはいえ漫画やテレビを超えるほどの魅力を感じられなかったのか、自主的に1冊を読破することはありませんでした。結局、みんなで寝る前に音読することに。段落ごとに輪読することで、国語の授業感がありちょっとした楽しみになっています。

次女「どういうこと?どういうこと?」

小1の次女は読めない漢字が多いため、本人による黙読・音読は難しく、就寝前の読み聞かせで楽しむことに。長女も自主的には読まなかったため渡りに船でした。

ところが次女は、星新一独特のブラックなオチを理解することが難しく、読み終わってから「どういうことなの?」と不思議な顔をして尋ねてきます。小学1年生になりたての次女は解説なしでは理解が難しいようです。ですが私が説明すると、腹落ちするようで「ああ!」と顔が明るくなりました。毎晩の星新一読み聞かせタイムが楽しみなようです。

活字への導入はほぼ成功かな?絵本の次の読み聞かせに◎

結局星新一ショートショートセレクションは、自力の読書ではなく読み聞かせ用になってしまったものの、活字への親しみという目的は果たせたかなと思います。とくに長女にとっては、スリリングな展開やあっと驚くオチが多い星新一作品が新鮮で、楽しめているようです。次女は、もう少し読み聞かせを続ければ理解力も培われて、自分でオチに気付けるようになるかなと思います。我が家の夜の新習慣として定着しており、導入して良かったと感じました。

このほかにも以下のような変化を実感中!

  • 長女:ストーリーをしっかりと読み込み、オチを予想する力がついた
  • 長女:音読がスラスラできるようになった
  • 次女:少しずつ漢字が読めるようになった

絵本を読む年頃ではないけれど、読み聞かせは続けたいとお考えのご家庭にはぴったりかなと思います!