算数への興味の扉を開ける!?「Yの箱船」

子どもたちには文系、理系問わず好きになって欲しいし得意であって欲しい。常々そう考えている私は子どもたちが理系科目に強い好奇心を持ってもらえる漫画やゲーム、教材を選んできました。今回ご紹介するのはその中でも子どもたちが楽しめている漫画「Yの箱船」です。「Yの箱船」の概要や購入方法、子どもたちの感想や読後の影響について解説します。

「Yの箱船」の概要と購入方法&あらすじを解説

まずは「Yの箱船」についてご紹介します。作家や概要、購入先やあらすじはここでご確認ください。

「Yの箱船」は「金田一少年の事件簿」の原作者がてがける謎解き冒険漫画!

「Yの箱船」は小学館から発行されている漫画で、「コロコロアニキ」というコロコロコミックよりも若干年齢層が高い青少年向け雑誌で連載されていました。原作は「金田一少年の事件簿」の 天樹征丸氏、作画は石蕗永地氏です。

「Yの箱船」は全国の書店やアマゾンで購入可能です。

「Yの箱船」のあらすじをざっくり解説

「Yの箱船」は6人の少年少女が謎の部屋で目を覚ますところから物語が始まります。少年のひとり「数真」は自分の名前以外の記憶を失い、文字も読めない状態。読めるのは数字だけです。彼らが閉じ込められた部屋では定期的に謎が提示され、その謎を解かなければ死んでしまうという部屋でした。この部屋では食欲などの生きるために必要な欲望が生じません。数字以外の記憶を失ったカズマは、数学的なセンスと才能を持ち合わせており、次々と難題を解いていって……、といった具合でストーリーが進みます。

出題される問題は、大人でも頭をひねるものばかり。主人公の才能に目を見張りながらも、考えさせられる漫画です。

「コロコロアニキ」連載だけど、小学生でも問題なし!

「コロコロアニキ」は「小学生お断り」がキャッチフレーズの漫画です。だから小学生に読ませても大丈夫?と心配になりますよね。我が家でも性的なシーンはまだ早いと考えているため、子どもに渡す前に「Yの箱船」に目を通してみました。すると性的なシーンは一切なし。ただし「数学を解かなければ死んでしまう」という若干過激な設定が前提となるストーリー。「むやみやたらに死が登場するコンテンツは避けたい」とお考えの方は避けたほうがよいかもしれません。

漫画内の漢字の台詞にはすべて振り仮名がふられていますので、「読む」という観点でいえば小学校低学年でもOKです。

「Yの箱船」で学べることは?長女の感想と共にご紹介!

続いて「Yの箱船」で学べることを長女の感想を交えながらお届けします。

「Yの箱船」は論理的思考が鍛えられる!気がする

親の私が「Yの箱船」を読んだ感想は「意外と謎が難しくておもしろい」です。出題される謎は微分積分のような数学の知識がなくても、考えれば解けるタイプのものばかり。「秤で一度しか計量せずに、この中で一番重いものを答えましょう」といった問題のように、数字をいじくり回すよりも、しっかり考える系の問題です。数学の知識がなくても解けますので、ストーリーの中で自然に頭を使えるはず!

個人的には「Yの箱船」で論理的思考が鍛えられると感じました。ただし出題される問題を解こうとすれば、ですが。

長女「話が面白いよ!算数の問題はよくわからないからスルーしてる!」

小4長女が読むように「Yの箱船」をリビングのテーブルに置いておきました。漫画は絵柄によって好みがありますので、親が強制すると読んでくれなくなる危険性があります。あえて勉強感をなくすために、さりげなく目に付くようにしておきました。すると長女はさっそく手に取り読み始め、あっという間に夢中に。読んでいる最中に面白い?と尋ねると、私の顔を見ないで「うん」と答えるほどに熱中しているようでした。

ただし肝心の謎解き部分は深く考えずに読んでしまっている様子です。読む手を止めて考えるのではなく、さっと読み飛ばしているため私が期待した論理的思考のトレーニングにはなっていないと思われます。数学の導入にはよいかもしれませんが、論理的思考や数学力が鍛えられるとはいえませんでした。

算数・数学への導入に「Yの箱船」は向いている!じっくり考えるタイプのお子さんにおすすめ◎

「Yの箱船」は我が家の小4長女にとっては、ストーリーが刺激的でおもしろい漫画のひとつとなりました。しかし算数や数学に抵抗を持っているお子さんや、じっくり考えるのが好きなお子さんには向いていそう。ストーリーがテンポ良く進み、物語としての面白さも抜群ですので、漫画を読み慣れていない方のお子さんでもストレスなく読み進められそうです。